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ホーム > しんきん経済レポート >2008年No.02 構造改革路線による変化

構造改革路線による変化

信用金庫業界では、全国の中小企業経営者に対し「構造改革路線により生じている変化」に対する意識調査を行なった(信金中央金庫調べ)。下のグラフは全国の調査結果と、県西部地域しんきん経済研究所がまとめた県西部地域の調査結果を比較したもの。

それによると、全国、県西部地域共通の傾向として、「中小企業も含めて経済全体が成長した」「公共工事の見直しなどにより政府の効率化が進んだ」などの構造改革のプラスの効果や成果に対する回答は少数意見にとどまり、「格差が拡大した」というマイナスの影響に対する回答が多数を占めた。 格差の内訳をみると、全国と県西部地域では若干傾向が異なる。県西部地域の回答割合が相対的に高かったのは「大企業と中小企業など企業規模による業況の格差」(全国66.8%、県西部74.8%)。当地域の大企業は依然好調だが、下請分業下の中小企業は、仕事量は確保できるものの、コストダウン要請や原材料高で収益が圧迫されているものと思われる。

一方、県西部地域の回答割合が相対的に低かったのは「都市と地方など地域間での業況の格差」(全国52.3%、県西部40.5%)。この地域間格差を回答する割合は、北海道(78.4%)、東北(77.1%)、南九州(69.6%)など公共事業への依存度の高い地域ほど高い傾向がある。この結果だけをみれば、当地域は「勝ち組」地域といえそうだ。 ただし、公共事業への依存度の高い地域ほど、公共工事に代わる地域振興策として企業誘致に取り組んでいる。当然、当地域への大企業に対しても、積極的なアプローチが行われていると思われ、対抗策を打ち出さなければ、「負け組」に転じてしまう可能性もある。

グラフ:構造改革路線による変化

出所:信金中央金庫、しんきん経済研究所の資料をもとに、しんきん経済研究所作成

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