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ホーム > しんきん経済レポート >2008年No.08 浜松市と磐田市の製造品出荷額等

浜松市と磐田市の製造品出荷額等

製造品出荷額等とは1年間の製造品出荷額、加工賃収入額、修理料収入額などを合算したもの。県内の製造品出荷額等は長らく、浜松市が1位の座を守っているが、近年、2位の磐田市が追い上げてきている。平成18年の工業統計によると浜松市の製造品出荷額等は2兆8,500億円、磐田市は2兆4,800億円とその差が3,700億円に縮まった。

過去の推移をみると平成14年にも一時3,800億円にまで差が縮まったが平成15年の磐田市の製造品出荷額等が対前年比19.4%減少したため差は広がった。平成16年以降浜松市は対前年比4%前後の増加で推移しているのに対し、磐田市は下記のグラフが示しているように平成16年以降、対前年比で大幅な伸び率を示し、平成9年には1兆2,000億円あった差がここ数年で一気に縮まった。

浜松市に本社を置く大手企業は生産力増強のため浜松市域外に工場建設を進めている。リサーチニュース6号で述べたように河合楽器は2009年3月までにピアノの全生産工程を磐田市へ移し、ヤマハは生産機能を掛川市に集約予定、スズキは牧之原市に工場建設、ホンダは浜松製作所での二輪生産(2006年度で約19万3000台生産)を今年の3月末で打ち切り、熊本製作所に移管する。大手企業が浜松市域外への移転に合わせて下請企業も大手企業の新規建設工場周辺に生産拠点を新設、移転する動きもある。

一方磐田市は上記企業の進出のほか東名高速遠州豊田パーキングエリア周辺の開発計画により工場の進出が決まっており今後も順調な伸びが予想される。

これに対し浜松市は企業立地推進本部を設置し企業のニーズを把握、企業誘致に係る優遇措置を拡充するなどして市内企業の流出防止や市外企業からの企業誘致に積極的に取り組んでいる。

図:浜松の地価変動率

出所 静岡県工業統計調査を基に、しんきん経済研究所作成
浜松市、磐田市とも合併後の市町村で算出

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