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ホーム > しんきん経済レポート >2008年No.18 県西部地域の農業産出額

県西部地域の農業産出額

浜松市は工業製品の出荷額が多いばかりでなく、農業産出額も全国市町村別で上位に位置する。平成18年の調査によると浜松市の農業産出額は540億円で全国4位。近隣の田原市(農業産出額724億円、全国1位)豊橋市(473億円、6位)も農業産出額は多い。上記3市は温暖な気候、大消費地(東京、大阪、名古屋)に近いことを活かした野菜や花卉の生産が多く、浜松市はこれに加え果実(みかん)の生産割合が大きいのが特徴といえる。

また静岡県全体でみると農業産出額の合計は2,443億円であり、そのうち浜松市の占める割合は22%、県西部地域を含めると県全体産出額の半数以上を占めている。いずれの市域も野菜、果実、工芸農作物(茶)の産出が多くなっている。このように県西部地域から愛知県東三河地域一帯は工業地域であるとともに有数の農業地域でもあるといえる。

現在、政府は地域経済活性化、雇用拡大等を図るため地域の持つ農林水産資源と商工業の持つ技術やノウハウを結びつけることで新たな事業展開が創出されるよう農商工連携の促進に取り組んでいる。

県西部地域には上記農業資源以外にも天竜美林、ウナギ、ふぐ等の一次産品が多数ある。これら特色ある資源と当地域の主力産業である輸送用機械製造業の技術や、浜名湖、舘山寺等の観光資源が産業、業種、事業規模の域を超えて相互に連携することで、現在の経済基盤の充実を一層図ることができる。さらには次世代にむけた新たな産業の創出を図ることで、今後も当地域がより強い地域力を発揮することができるであろう。

グラフ:全国市町村別農業産出額(全国上位10市町村)

グラフ:県内農業産出額(上位10市町)

【出所】農林水産省「生産農業所得統計」よりしんきん経済研究所作成

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