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ホーム > しんきん経済レポート >2008年No.23 悪化傾向にある浜松の雇用環境

悪化傾向にある浜松の雇用環境

ハローワーク浜松管内の雇用環境が悪化している。10月の有効求人倍率は1.16倍と昨年10月(1.54倍)に比べ0.38ポイント落ち込んだ。全国、静岡県とも10月の有効求人倍率は1倍を割っているが昨年10月からの減少幅でみると全国が−0.22ポイント、静岡県が−0.27ポイントであり浜松の有効求人倍率は相対的には高水準であるが落ち込み幅は大きい。

下記のグラフは浜松の主な産業別新規求人数(新規求人数が100人以上)の今年10月と前年10月を比較したもの。これをみると医療・福祉、飲食店・宿泊業以外は対前年比マイナスとなっている。特に運輸業(−34.0%)や浜松の基幹産業である製造業(−33.5%)が対前年比で30%以上減少している。製造業の中でも求人数が多い輸送用機械器具製造業の新規求人数は、19年10月が403人であったのに対し、今年10月の求人数は258人と大幅に減少している。

現在、浜松地域の大手メーカーは世界的な需要減退を受けて大幅な減産を行うとともに、期間工、派遣従業員を中心とした人員削減が相次いでいる。さらに需要低迷が長引けば更なる減産、人員削減が予想される。また地元大手メーカーは部品の多くを浜松地域の中小企業から調達しており、大手メーカーの減産は地元地域の中小部品製造業の経営に悪影響を及ぼす。今は大手企業を中心に雇用調整が行われているが今後は中小企業においても雇用調整を行う可能性がでてくる。ただ中小企業が当地域の雇用に果たす役割は大きいため、行政・金融機関等が悪化している経営環境から中小企業をサポートする体制作りを今後とも続けていくことが必要であろう。

図:産業別求人数の平成20年10月対前年比(ハローワーク浜松管内)

【出所】ハローワーク浜松資料よりしんきん経済研究所作成

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