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ホーム > しんきん経済レポート > 2009年No.22 外国人登録者数が減少傾向となっている浜松市

外国人登録者数が減少傾向となっている浜松市

増加基調で推移していた浜松市の外国人登録者数が、今年に入り減少に転じている。昨年12月の外国人登録者数は33,702人であったが、今年11月1日現在の外国人登録者数は30,185人となりこの1年間で3,517人(10.4%)減少し、4年前の水準にまで落ち込んだ。

昨年10月以降、世界同時不況の影響により当地域の製造業の生産水準が急激に低下した。人手の過剰感が高まった企業がパート、臨時工の解雇、派遣労働の停止などを実施したことで、当地域では不安定な雇用関係下で就労していた多くの外国人が失業した。その結果、職を失った外国人が母国へ帰国、または新たな職を求めて他地域へ転居したことで外国人登録者数が減少したと考えられる。

浜松地域の経済は、昨年半ば頃までは国内の他地域と比べて好調に推移し、人手不足が経営上の問題点の一つとなっていた。企業は不足する人手について外国人労働者を利用して増加する受注に対応してきた面もあり、当地域の経済において外国人労働者の果たしてきた役割は大きい。

当地域の景気は最悪期を脱したかに見えるものの、依然として人手の過剰感は解消されていない。企業は雇用調整助成金等を利用し現在の雇用を維持することで精一杯であり、新たに雇用する余裕はない。今後、景気低迷が長引けば外国人労働者の雇用環境はますます悪化し、外国人登録者数の減少が続くと見込まれる。

グラフ:外国人登録者数の推移

出所:浜松市ホームページ(住民基本台帳及び外国人登録による人口と世帯数)よりしんきん経済研究所作成。H20.8月までは月末、同年10月以降は月初の人数。

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