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ホーム > しんきん経済レポート > 2009年No.23 モール型ショッピングセンターと入居専門店

モール型ショッピングセンターと入居専門店

大型店と多数の専門店で構成されているモール型ショッピングセンター(以下、モール型SC)が浜松に進出してきたのは5年前(現イオンモール浜松志都呂)。その後、市内にモール型SCの進出が相次ぎ、磐田市のららぽーと磐田と合わせ、浜松地域には5つのモール型SCが立地している。5年前は、今までにない形態の商業施設であり、非常に新鮮に感じられたが、現在では専門店の重複が目立つ。そこで5つのモール型SCで、重複する専門店がどのくらいあるかを調べてみた。

まず、5か所すべてに出店している専門店はなかった。これは、浜北区のプレ葉ウォーク浜北とサンストリート浜北の距離が近く、物販専門店が重複してないため。4か所に出店している専門店は、ユニクロ、無印良品など12あった。以下、3か所に出店している専門店は23、2か所に出店している専門店は78あった。合わせて113の専門店が複数のモール型SCに出店している。

モール型SCに多く出店している専門店は人気・知名度が高く、それら専門店の集約力がSC全体に波及する効果をもたらす一方、モール型SCの同質化が進んでしまう。そのため「地域初出店」「県内初出店」の専門店の開拓で差別化を図ろうとしている。換言すれば、既存モール型SCに入っていない店が新鮮な時代になったといえる。しかも、モール型SCの専門店の大半は、従業員店長であり、サービスも均一化されている。地元中小小売業者は、「店主のこだわり」「地元らしさ」「マニュアル通りでない顧客サービス」を発揮できれば、十分モール型SCに対抗できる。

グラフ:浜松地域モール型SCの重複専門店

出所:各ショッピングセンターのホームページをもとにしんきん経済研究所作成

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