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ホーム > しんきん経済レポート > 2010年No.2 保育所の利用が高まる

保育所の利用が高まる

浜松市で保育所の利用が増加している。今年度(4月1日現在)、保育所へ通う児童は定員8,155人に対し8,631人となり、昨年度より174人増加し、定員より476人多い。最近の保育所の利用推移を見ても、依然として定員を上回る児童が保育所に通う状態が続いている。また、保育所待機率(保育所へ入所を希望する子どもの割合)も解消されておらず、入所希望者の増加に対応できていないのが現状である。

保育所の利用が増加している要因として「共働き世帯の増加」や「三世代同居世帯の減少」などのほか、最近の景気低迷によって「夫の給与減少や失業で世帯所得が大幅に減少し、妻が就業する必要が生じた世帯」の増加が挙げられる。保育所側も入所希望の子どもの増加に対応して定員を増やせばいいのだが、現状では保育士1人あたりの児童の数や児童一人当たりの施設の面積が決まっており、簡単には定員を増やせない理由もある。

現在、浜松市は「子ども第1主義」のもと、子育て世代に対して支援体制の充実を図っている。しかし、依然として待機児童の解消が進まない等、保育サービスの支援が十分に行き届いているとは言えない。今後は行政だけでなく、企業側も子育て世代の従業員が勤務しやすい職場環境を整えるほか、企業と行政、地域社会が連携して、将来地域の担い手となる子どもたちを育てていくことが必要であろう。

グラフ:保育所の利用状況

出所:厚生労働省の資料を基にしんきん経済研究所作成。各年度4月1日現在の人数

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