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ホーム > しんきん経済レポート > 2010年No.5 最近の中小企業の売上状況

最近の中小企業の売上状況

しんきん経済研究所では、県西部地域の中小企業を対象に、最近の売上状況に関するアンケート調査を実施し、1,227社から回答を得た。平成20年1月を100%とした場合、「1年前」「半年前」「現在(今年1月)」「半年後」の売上水準についてたずねた。それによると全体の平均値は、いずれの時点においても2年前の水準を下回った。 売上水準の推移をみると、「半年前」に底をうち、その後回復傾向を示している。ただし、減少局面の急速な悪化に対し、回復局面では思うような改善が進んでおらず、先行きも依然として不透明だ。 西部地域では売上の減少が大きかった製造業を中心に、パートや派遣労働者の解雇、正社員の残業時間短縮などの雇用調整のほか、賞与のカットも行われた。地域住民の収入が目減りした結果、小売、サービス業などの売上も悪化し、地域全体に悪影響が広がっていった。現在、中小企業の景況感は最悪期は脱したかに見える。しかし、「半年後」でも売上水準の全体の平均値は2年前の8割弱にとどまっており、地域住民の雇用、所得環境が改善し、地域経済全体が回復するにはまだ時間がかかりそうだ。

グラフ:売り上げ水準の推移

出所:しんきん経済研究所「企業経営アンケート調査」より。
(調査実施期間:平成22年1月12日〜2月15日)

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