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ホーム > しんきん経済レポート > 2011年No.2 浜松市内に本社を置く上場企業の株式時価総額

浜松市内に本社を置く上場企業の株式時価総額

株価は、経済の「未来を映す鏡」と言われる。浜松市内にも自社の株式を公開し、価格の決定を市場 に委ねている企業が存在する。浜松市内に本社を置く企業の株式価格から浜松の現状を見てみよう。

浜松市内に本社を置き株式を公開している企業は18 社あり、この内東京証券取引所1 部および2 部市 場に株式を公開している企業は13 社ある。浜松の経済を表すために、株価を単純に合計するのではなく、 株価×発行株式数で求められる“株式時価総額”※1 の推移を使ってグラフ化してみた。

グラフはリーマンショックが発生した2008 年(平成20 年)の1 月時点の時価総額合計を100 として指数 化した。浜松企業の時価総額の動きと比較するため、東京証券取引所1 部および2 部上場企業の時価総 額を同様に表した。これにより投資家の「浜松本社の企業に対する期待度」と「東証1 部・2 部上場企業 に対する期待度」を比較することができる。

浜松地域は製造業が多く立地し、リーマンショック時の世界的需要減退の影響を大きく受けた。時価 総額の動きもそれをよく表している。浜松企業の時価総額が、東証1・2 部企業のそれより大きな落ち込 みをしている様子が見て取れる。浜松企業の時価総額の最下部は2009 年(平成21 年)1 月の44.6 ポイント であるが、その時点の東証上場企業の59.8 ポイントを、15 ポイントも下回っており、全世界の投資家か ら悲観的な評価を受けていたことがわかる。2008 年1 月に比較して6 割という水準もかなりのものだが、 浜松企業においては半分以下となっており、当時の地域の悲壮感を表している。

そこからは急回復である。最下部から一気に持ち直すあたりは、浜松企業の収益力、潜在力に基づく 投資家から受ける未来への評価の高さが伺える。企業の株価は、企業の持つ力すべてが一つの価格に収 れんされ決定されている。この中には、浜松という地域性も含まれていよう。急回復を見せた浜松企業 の株式時価総額。企業の底力を表していると言えるだろう。

グラフ:上場企業の時価総額
※1:株価は毎月の終値。発行株式数は各上場企業の四半期毎の投資家向け資料内の発行株式数を用いた。

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