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ホーム > しんきん経済レポート > 2011年No.18 経済センサスからみた業種別従業者

経済センサスからみた業種別従業者

経済センサスとは、事業所・企業統計調査や商業統計調査などの調査を統合し、新たに創設された調査。「経済に関する国勢調査」であり、2009年に初めての基礎調査が行われた。

2009 年基礎調査によると、浜松市には39,572 の事業所があり、従業者数は407,309人となっている。従業者数の業種別内訳(大分類)をみてみると、最も多いのが「製造業」の9.9 万人。ほぼ4 人に1 人が製造業に従事している計算となる。2 番目に多いのが「卸売業、小売業」の7.6 万人。以下、「医療、福祉」(3.8 万人)、「宿泊業、飲食サービス業」(3.5 万人)、「建設業」(2.7 万人)の順となっている。

全国の調査結果をみると、「卸売業、小売業」(1,269.6 万人)が最も多く、「製造業」(982.7 万人)を大きく上回っている。以下、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」、「建設業」の順は、浜松と同じ。

浜松市は製造業の従業者が最も多いことに加え、全国と比較しても製造業の占める割合が高い(浜松24.4%、全国15.6%)。「ものづくりのまち浜松」を裏付ける調査結果といえよう。とはいえ、過去と比較すると製造業の従業者は減少している。経済センサスの前身である事業所・企業統計調査によると、製造業の従業者数は1991 年13.3 万人、2001 年11.1 万人となっている。調査方法が異なるため単純比較はできないものの、減少傾向が続いている。

そうしたなか、浜松市では「はままつ産業イノベーション構想」を策定、既存ものづくりの高度化により製造業の雇用拡大を目指している。また、「ものづくりのまち浜松」は見方を変えれば、製造業以外に伸び代があるということ。「ものづくりの活力維持」と同時に、医療・福祉やITサービスなど「ものづくり以外の産業の育成」も必要となってくる。

図表 業種別の従業者数(経済センサス)


本稿は12 月1 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
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