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浜松市の外国人登録者数が減少

浜松市は全国でも有数の外国人、特にブラジル人が多く居住する地域であるが、近年、住民登録者数の減少 が続いている。2008 年9 月のリーマンショック以降、雇用環境は急激に悪化した。2010 年には4 千人、2011 年には2 千人が減少、減少ペースは鈍化したものの今もなお減少は続いている。直近の外国人登録者数は2.5 万人と、ピークの2008 年に比べ8 千人もの外国人が減少した。浜松市の1%にあたる人口がこの4 年間で流出 したことになる。

外国人労働者の受け入れは1980 年代に人手不足を緩和するために進められた。その後1990 年の「出入国管 理及び難民認定法」の改正によって日系人の在留資格が緩和、日系ブラジル人が急増した。自動車やオートバ イなど輸送用機器産業が盛んな浜松市では外国人労働者の受け入れが進み外国人住民が増加した。受け入れが 拡大してきた背景には、安価な人件費だけでなく、労働需給のミスマッチ解消もある。外国人労働者はこうし た求人の受け皿となっていた。

不安定な雇用形態で働くことの多い外国人労働者にとって、失業のリスクは日本人と比べて高い。生活の拠 り所のない外国人は故郷に戻らざるを得ず、日本で安定した職を得るためには日本語や日本の文化・習慣を理 解していくことが益々必要となっていくであろう。 今月25、26 日には浜松市で『日韓欧多文化共生都市サミット』が開催される。浜松市は日本人市民と外国 人市民が共生する社会の構築を目指しているが、多文化共生をテーマにお互いの理解を深める場となるであろう。

浜松市の製造品出荷額等と全国順位の推移

本稿は10 月4 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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