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需要を創出する

来週はバレンタインデー。バレンタインデーにチョコを贈る需要(最近では自分用に購入する需要も増えている)は、「どこが始めた」という点では諸説あるが、製菓業界の販売促進の結果、創出されたといえる。浜松市の1世帯当たりチョコレート支出額(総務省家計調査)をみても、バレンタインデーのある2月の支出額が突出している(グラフ参照)。

バレンタインデーに限らず、翌月のホワイトデー、母の日、父の日など売り手側のストーリー性を持たせた販売促進の結果、定着した習慣は多い。「土用の丑の日にうなぎ」はその先輩格ともいえるし、先週末の「節分に恵方巻き」も元来、浜松地域にその習慣はなかったが、この10数年ですっかり定着した。

このような支出を習慣化させる販売促進方法を浜松の地場産品にも応用したい。すでにうなぎ業界では秋の土用の丑の日(土用の丑の日は夏以外の季節にもある)にあわせ「うなぎ鰻ぷくまつり」を開催し、秋にうなぎを食べる需要の創出を狙っている。他の産品も単発のイベントを行うのではなく、産品にストーリー性を持たせ、イベントとの相乗効果を図りたい。

その際、ライバル産地と連携することも検討したい。例えば「秋の土用の丑の日は、浜松オリジナル」というよりも、全国のうなぎ産地を巻き込んだ方が、効果は大きいと思われる。冒頭のバレンタインデーも1社単独の販売促進にとどまり、ライバルを排除したらここまで定着しなかったであろう。

総務省家計調査をもとにしんきん経済研究所作成 2012年のデータ

本稿は2月7日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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