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浜松市の耕作放棄地面積の推移

6次産業や農商工連携等、農業に期待が集まっているが、足元の農業はどうだろうか。下のグラフは浜松市の総農家における耕作放棄地の面積の推移を示したものであるが、2010年には1995年の1,059haから122ha増えて1,181haとなった。これは雄踏町の面積8.15km²と舞阪町4.61km²を合わせた面積12.76km²(=1,276ha)にほぼ相当する。

耕作放棄地が増加した最大の要因は農業就業人口の減少にある。年齢別の就業人口をみると、浜松市の農業就業人口(販売農家)は14,524人であるが、そのうち75歳以上の人口は5,143人と全体の35%を占める。さらに60歳以上だと10,794人と全体の74%となる。農業の担い手が生まれず耕作放棄地が増えているのも止むを得ないのかもしれない。

浜松市は今まで『ものづくり』を基盤に発展し成長を遂げてきたが、リーマンショックにより当地も急激な経済変動を受けた。そうしたなか、浜松市では『はままつ産業イノベーション構想』を策定し、既存産業の高度化や新産業の創出を目指している。そのなかの6つの成長分野の1つとして植物工場などに代表される新農業を掲げている。新味を出して新農業の成長を促すとともに農業の衰退の歯止めにも期待したい。農業が重点産業になれば新たな雇用の創出にも繋がるのではないか。

グラフ:浜松市の耕作放棄地

本稿は5月16日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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