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市民の健康増進と地域活性化

人間誰しも加齢による体力低下は避けられないが、適度な運動の習慣化により加齢による体力低下を抑制・遅延させることが可能である。その結果、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)を延ばすことができる。

浜松市が昨年行った市民アンケートによると、年齢が高まるに伴い運動を習慣化している割合も高まる傾向がみられた。週2〜3回以上運動を行っている人の割合は、20歳代〜50歳代では3割台なのに対し、60歳代以上になると5 割を超えている。多くの高齢者が健康増進のため、意識的に運動に取り組んでいる姿がうかがえる。

健康増進への取り組みが活発になれば、フィットネスクラブやスポーツ用品、スポーツイベントなどの健康増進産業の成長が期待できる。また、元気な高齢者が増えれば、旅行、飲食、カルチャースクールなどの消費も拡大していくだろう。よって、行政による市民の健康増進事業は、単なる福祉施策ではなく、地域経済活性化策であるともいえる。

折しも冒険家の三浦雄一郎さんが80歳でのエベレスト登頂に成功、高齢者に限らず幅広い世代に大きな希望を与えてくれた。我々も、エベレスト登頂とまではいかないまでも、年相応の目標を立て、運動を習慣化することにより健康の維持・増進に努めたいものである。

グラフ:浜松市民の運動やスポーツの頻度

本稿は6月6日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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