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浜松市、就業人口別の産業構造

小売・卸売やサービス業などで構成される第3次産業は我が国の経済の中核を担っているが、浜松市ではどうだろうか。下のグラフは国勢調査における産業別の就業人口の割合(分類不明の産業を除く)を表したもの。浜松市の第3次産業に従事する人口の割合は60.5%であり、浜松市においても第3次産業の割合は最も高い。ただし、浜松市と各政令指定都市を比較すると、浜松市の第3次産業は他の政令指定都市と比べて最も低く、の次に低い静岡市と比較しても10.0.低い。一方、製造業や建設業といった第2次産業は35.2%で最も高く、これも次いで高い静岡市と比べて8.6.高い。また、農林漁業などの第1次産業も4.3%でどの都市よりも高くなっている。浜松市は製造業や農業が盛んな『ものづくり都市』と言われているが、逆にいえば浜松市は第3次産業の弱い地域でもある。
先般、安倍政権は成長戦略として『医療・介護』や『観光』、『農業』、『エネルー』等の分野に体的な数値目標を盛り込んだ。当地域も第3次産業の育成に力を入れてはどうか。恵まれた資源や経済環境がありながらも十分なポテンシャルを活かしきれていないのではないか。例えば当地域は充実した医療機関があることから、医療と連携した観はどうだろう。他にも農林漁業や地域の会議といったものを観光と結び付けることも可能である。今後、政府の掲げる成長戦略とともに浜松市が目指す施策にも期待したい。ただし、当然ながら成長戦略の主役は民間の企業である。企業の積極的な行動にも注目したい。

グラフ:政令指定都市就業人口別の産業構造

本稿は6月20日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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