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うなぎの購入金額と購入回数の推移

7月22日と8月3日は土用の丑の日であるが、どうやら今年もうなぎを安く食べられそうにない。総務省が公表している家計調査(2人以上の世帯)で過去の推移をみると、浜松市におけるうなぎのかば焼きの年間購入金額と購入回数(外食ではなく調理食品の購入)は以下の通りとなる。うなぎのかば焼きの購入金額は平成22 年の8,014 円をピークに23年は5,114円、24年は4,322円となり、22年と比べて半分近くまで落ち込んだ。一方、1回あたりの購入金額はうなぎの高騰により3,225円へと上昇した。それに伴い購入頻度は22年の2.9回から24年の1.3回へと2回を大きく割り込んでしまった。年1回未満となるのも遠いことではない。価格高騰の原因は不漁によるもの。乱獲とも河川環境や海流の変化ともいわれるが、生態は今もなお十分には解明されておらず、一刻も早い真相究明が求められる。国内の漁獲量が年々減少のなか環境省はニホンウナギを絶滅危惧種に指定、うなぎのかば焼き消費量全国一(同家計調査)を誇る当地域にとって深刻な状況であり、環境の保護とともに観光資源の保護といった二つの問題に迫られている。うなぎは高くても買わざるを得ない必需品ではないため、当然のことながら購入金額が上がれば購入回数も減ってしまう。土用の丑の日であったとしても高ければ敬遠されることとなる。あるイベントでうなぎ半身と茄子がセットになったうな丼を販売していた。ほかにも工夫を凝らした商品をあちこちで見かける。これは価格を抑えるためのアイデアであるが、今後は環境保護の観点においても代替品とのセット販売が求められるかもしれない。浜松といえば“うなぎ”というくらい全国でもそのブランドイメージは根付いている。その資源を残すためにも他地域より率先した取り組みを進めていくべきではないだろうか。

グラフ:うなぎのかば焼き年間購入金額と購入回数(浜松市)

本稿は7月18日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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