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自動車メーカーの輸出の割合

一般社団法人日本自動車工業会から2013 年の自動車生産台数が公表された。これによると、全メーカーにおける2013 年の国内年間生産台数は前年比31 万台減の963 万台であり、国内生産における輸出台数は12 万台減の467 万台であった。国内生産台数における輸出の割合は49%となった。
下のグラフは主要メーカーごとの国内生産に対する輸出割合を示したグラフである。国内での生産台数が最も多いトヨタは半数以上の57%を輸出した。全メーカーで最も輸出割合の高いのはマツダの81%であり、輸出の割合は年々、増加傾向にある。一方、スズキは16%、ホンダは15%と輸出の割合が低く、いずれも輸出割合は減少傾向にある。
マツダは円安を背景に海外の需要を取り込み、国内での生産台数を伸ばした。一方で、スズキはこれまで新興国での海外生産体制を整備し、需要が期待される市場で生産する“地産地消”の体制づくりを進めてきた。他地域よりも海外移転が進んでいる当地域においては為替が円安回帰したからといって、国内での生産台数が増えることはあまり期待できない。
この輸出割合をみるに、当地域の自動車関連下請け企業は他地域と比べて円安の恩恵を受けづらく、厳しい状況にあるといえる。将来の売上や利益を確保するためにも、取引先の開拓や海外を含めた販路拡大、他業種への進出、新たなビジネスモデルの構築等、様々な展開を講じる必要があろう。

グラフ:自動車メーカーの輸出割合(2013年)

本稿は2 月20 日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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