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浜松市の住宅着工の推移

浜松市における2013年度の新たに着工した住宅戸数は前年度比894 件増の6,614件となり、2 期連続して前年度を上回った。消費増税後の落ち込みは懸念材料ではあるが、増加が続いたことについては住宅市場としても明るい材料となろう。

ただし、浜松市の着工戸数を全国と見比べると若干様相が異なる。全国の2013年度の着工戸数は98万戸と、前年度を9万戸上回った。前年度と比べた全国の上昇率は10%であり、浜松の方が15%増と高い。ただ、浜松市が上昇に転じたのは2012年度からに対して、全国ではすでに2010年度から上昇に転じており、4 年連続して前年度を上回る状況が続く。

2007年度の着工戸数を100とした場合、2013年度の全国は95であるのに対し、浜松市は75である。全国では2007年度の水準にほぼ戻りつつあるが、浜松市では2、3割落ち込んでいる状況であり、全国と比べると戻りが遅い。

これは2008年度後半に起きたリーマンショックにより浜松市の景気の落ち込みが全国よりも深刻であったこととともに、2010年度終わりに起きた東日本大震災の津波の影響が次年度の浜松市の住宅市場に大きな足かせとなったためである。2013年度に入りようやく月間ベースで増加基調がみられるようになった。

地域経済の活性化には経済波及効果が大きいとされる住宅市場の活性化が欠かせない。そのためにも地域経済の振興や市外からの人口増加、それとともに津波の心配を払拭する取り組みが必要であろう。

グラフ:浜松市と全国の新設住宅着工戸数を指数化

本稿は6月19日静岡新聞「目で見る浜松経済」掲載予定です。
静岡県西部地域しんきん経済研究所とは遠州信用金庫と浜松信用金庫が共同で設立したシンクタンクです。

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