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有効求人倍率の地域別比較

ハローワーク浜松管内の4 月の有効求人倍率は1.20 倍。例年4〜6 月にかけては、年度末の退職者が新規求職者に計上される季節要因があり、有効求人倍率は一時的に低下する。そのため、季節的要因を統計的に調整している全国の1.34倍を下回っているが、均してみれば全国を上回る水準を維持しており、リーマンショック前の水準に近付いてきている。経験則からすれば、雇用環境の改善とともに景況感も上向くはずだが、弊社が行っている景気動向調査をみると力強さは感じられない。

下のグラフは地域別の有効求人倍率の推移をまとめたもの。これによると、リーマンショック前(〜2008年)は浜松及び浜松を含む東海の有効求人倍率は他地域と比較して突出して高く、北海道、東北、四国、九 州にいたっては 1.0 倍を下回っているなど地域間の格差も大きかった。当時は、製造業が盛んな地域が全国の景気を牽引しており、その最たる地域ともいえる当地域の相対的な景況感もよかったといえる。

次にリーマンショック後の雇用環境改善局面(2010 年〜)をみてみると、全ての地域で有効求人倍率は上昇傾向にあり、地域間格差もリーマンショック前と比較すると明らかに小さくなっている。急増する訪日外国人の恩恵を受ける地域の小売・宿泊・飲食業や建設業などの非製造業も雇用環境が改善(むしろ人手不足となっている)している。
景況感改善が伴わない人手不足の理由は、雇用のミスマッチ、労働力人口の減少など要因は複合的だが、地域間の雇用環境格差が縮小し、相対的に景気がいいと感じられなくなってきていることも要因の一つと考えられる。

図表 浜松市の人口と世帯数の増減
出所 厚生労働省 *各年1月の有効求人倍率をもとにグラフ作成

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