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外国人宿泊者数の推移

観光庁の発表によると、今年の7月に日本を訪れた外国人旅行者は前年同月比19%増の229万人で、月間の過去最多を21万人更新した。このままのペースで進めば年間の外国人旅行者数は10月にも2,000万人を達成し、今年も過去最高を塗り替えそうな状況である。 1,000万人を超えたのはつい2年前のことであり、外国人旅行者の急増ぶりは目を見張るばかりだ。

浜松市の外国人延べ宿泊者数をみると、2016年5月は29%減の2.4万人泊となった。前年同月との比較で9千人泊の減少となり、2016年2月以降4ヵ月連続して減少が続いている。ただし、減ったとは言え、1〜5月の宿泊者数は一昨年との比較では2倍を維持しており、大きな落ち込みではない。

今年に入り全国ベースでは一人あたりの消費単価はやや減少、百貨店や家電専門店などでも外国人売上高が減少しているとされ、中国人旅行者の“爆買い”に象徴される消費行動は徐々に変わりつつあるようだ。しかしながら、外国人旅行者数は増加が続いており、外国人旅行者全体としての消費総額は増えていることから、今後も外国人旅行者の消費には期待できるのではないか。

為替の影響や経済情勢、他の旅行地との比較、政治の問題など外部要因はいろいろあるものの、アジア各国の所得水準の高まりを受けて、今後もアジア各国を中心に訪日外国人旅行者が増えていくことは想像に難くない。ただ、日本に外国人旅行者が増えたとしても浜松に今後も訪れてくれるかどうかは別の話。外国人に「来てみたい」「来てよかった」と感じてもらえるような取り組みが必要である。そうでなければ地域間の競争で浜松は後れを取ることとなろう。

図表 浜松市の外国人延べ宿泊者数の推移
出所 宿泊統計調査をもとに加工作成

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