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人口流入都市を目指そう

人口減少が全国的問題となっている。人口が減少する要因は、生まれてくる子供の数が亡くなった人を下回る"自然減(少子化)"要因と 転出者が転入者を上回る"社会減(人口流出)"要因の2つに分けることができる。
浜松市は2010年前後を境に、自然動態、社会動態とも減少に転じており、人口減少が続いている。日本全体でみれば人口減少=少子化問題であり、国を挙げて少子化対策に力を入れているが、社会減も同時に進む浜松市の場合、少子化対策に加え、人口流出に歯止めをかける対策が必要となってくる。

浜松市が行った「浜松市UIJターン就職促進に係る企業、高校、大学等実態調査」によると、浜松市から静岡県外の大学に進学した人のうち、5人に1人が浜松市に就職、3人に2人が県外に就職・進学等をしている。県外の就職先で最も多いのは首都圏で、浜松市内にUターンしてくる人よりも、首都圏に就職する人の方が多い。
人口流出に歯止めをかけるための一手段として、大学卒業時のUターン率を高めることが重要だ。

もっとも、「首都圏で就職したい」と希望する学生を引き留めることはできないし、浜松出身者が各方面で活躍している話を聞くと誇らしく思う。ただ「浜松に戻りたい」と希望した学生が、希望叶わず県外に就職してしまうのを防ぐことは必要であり、浜松市も就職支援のホームページを刷新するなど、UIJ就職支援に力を入れている。

日本全体の人口減少は当面の間避けられない。しかも、一部の大都市に人口は集中し、地域間の人口格差は益々広がるものと思われる。
浜松市は産業振興、雇用創出、住みよいまちづくりなど多面的な取組により、人口が流入してくる都市を目指し、都市間競争に打ち勝つ必要がある。

図表 人口流入都市を目指そう
出所 浜松市ホームページ ※浜松市からの進学者が多い134校を対象に調査

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