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働き方改革と中小企業の対応

先月末に発表された2月の完全失業率(季節調整値)は2.8%と約23年振りの低水準(雇用環境が良い)となった。有効求人倍率も全国は1.43倍と約25年振り、ハローワーク浜松管内は1.49倍と約9年振りの高水準(雇用環境が良い)となった。もはや「雇用環境が改善している」という状態を通り越して、人手不足の弊害が目立つようになってきている。一方、政府は「働き方改革」に力を入れている。働き方改革の目玉は、長時間労働是正であり、人手不足の対応策として「残業、休日対応の増加」という選択肢は時代に逆行しつつあり、生産性の向上が重要となってくる。

しんきん経済研究所が行ったアンケート調査(3月実施)で中小企業が注力しようと考えている働き方改革についてたずねたところ、「女性・若者が活躍しやすい環境整備」が37.0%で最も高く、次いで「賃金引き上げと労働生産性の向上」が35.2%と高かった。働きやすい環境を整備し、生産性を向上させようとする姿がうかがえる。一方、「病気の治療、子育て・介護と仕事の両立」や「テレワーク、副業・兼業など柔軟な働き方」など多様な働き方に関する項目の回答割合は低かった。

今後、景気の波によって現状の人手不足感は多少和らぐことがあるかもしれない。しかし、人口減少の流れは数十年止まらないことから、人手不足の傾向は中長期的に続くと思われる。働き方改革は、働き手のためだけではなく、中小企業の人材確保のために必要不可欠なものといえよう。

図表 働き方改革と中小企業の対応
出所 しんきん経済研究所

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