リサーチニュース リサーチニュース

ホーム > しんきん経済レポート > 浜松市の製造品出荷額推移

浜松市の製造品出荷額推移

経済産業省から毎年公表される工業統計調査によると、2014年における浜松市の製造品出荷額は2兆57億円であった。リーマンショック前の2007年は3.2兆円だったことから、2007年当時と比べて1.2兆円減少したことになる。2009年以降は2.0兆円から2.1兆円の横ばい状態が続いている。

業種ごとの出荷額をみると、浜松市の製造業を牽引する輸送用機械器具製造業(自動車、二輪、船舶など)の2014年の出荷額は8千億円であった。リーマンショック前の2007年の1.5兆円と比べて7千億円減少したことになる。輸送用機械器具製造業以外のそのほかの産業は1.2兆円であり、2007年と比べて6千億円減少した。

いずれの業種もリーマンショックを境に出荷額は減少し、リーマンショックが落ち着いた後も出荷額は大きく戻ることなく、低位の横ばい状態が続いている。あえて言うなら、輸送用機械器具製造業の出荷額の増減によって、浜松市全体の出荷額は小刻みに浮き沈みしていると捉えることができる。

浜松市の製造業はリーマンショックを境に国内他地域よりも消費地生産が進んでしまったため、以前のように諸外国の景気回復があっても輸出が増える余地は少なく、そのため海外向けの出荷額はなかなか増えない状況にある。さらに国内では人口減少により、国内向けの出荷額を増やしていくのも非常に難しい。出荷額の多寡だけに固執する必要は無いが、とは言え、「ものづくり都市浜松」をアピールし続けていくためには、必要最低限、全国上位の出荷額にとどまる必要はある。輸送用機械器具製造業によるイノベーションの創出、相乗効果が見込まれる関連産業の企業誘致など、官民そろった取り組みが求められる。

図表 浜松市の製造品出荷額の推移

しんきん経済レポート一覧へ