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人手不足感が強まる求人数と求職者の推移より

浜松市の有効求人倍率は近年改善傾向にあり、2017年9月におけるハローワーク浜松管内の有効求人 倍率は1.53倍となった。有効求人倍率とは求職者(仕事を探している人)1人あたり企業から何件の求人があるかを示す労働環境についての経済指標である。求人倍率が1.53であれば1人あたり1.53件の求人があることを意味し、倍率が高いほど1人あたりの求人件数は多くなる。静岡県全域や全国ベースでも有効求人倍率は改善傾向にある。

下のグラフは浜松管内における求人数と求職者数を表した年次のグラフ。2005年度以降の求職者数(仕事を探している人数)は、2010年度の24万人をピークに減少傾向にあり、2017年度は15万人となった。一方、求人者数(企業が雇いたい人数)は2010年度の8万人を下限に年々増加傾向にあり、直近では19万人となった。2010年度から数年間は、求職者数が求人者数を上回る買い手市場の状況であったが、2015年度に逆転した。求人者数から求職者数を差し引いた2017年度の需給状況は▲4万人となり、企業からすると、働き手を募集しても一向に集まらない傾向が年々強くなっている。

労働者の需給状況は当然ながら景気の動向にも左右されるが、人口減少はこれからも進むことを考えると、人手不足の問題はますます大きくなることは明らかである。年々、60代の社員が定年退職により会社を去るとともに、少子化により新卒者の総数も年々減っていく。中途採用も然り、すでに定年退職者の補充に難儀する企業もあることだろう。生産性の向上や高齢者と女性の活用、労働条件の改善、働き甲斐による社員の定着化など、これからの人手不足に対応できる取り組みが求められる。

図表 求人数と求職者数の推移(ハローワーク浜松管内)
出所 求人数と求職者数の推移(ハローワーク浜松管内)

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