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浜松市内の新設住宅着工は横ばい

2018年10月18日

静岡県新設住宅着工統計によると、2017年度浜松市における持家の着工件数は、2,758件だった。ここ4年連続で3,000件を下回ったまま、横ばいの状態が続いている。区別に見ると、中区が642件と最多で、次いで東区の546件、浜北区の496件、北区372件、西区337件、南区302件、天竜区63件の順となっている。

過去の推移を見てみると、2008年9月のリーマンショックに伴う内需の減少により、2009年度は3,059件まで落ち込んだ。その後、景気低迷から脱したことで着工件数も回復したが、2011年3月の東日本大震災の影響から、減少傾向となっていた。特に津波の影響で沿岸部(南区、西区)の着工が落ち込んだことが要因である。

2014年4月から消費税が8%に上がったのに伴い、2013年度は駆け込み需要があり、着工件数は3,693件と6年ぶりに3,500件を上回った。しかしながら、2014年度には駆け込み需要の反動減が顕著に表れ、着工件数は前年比25%減の2,762件まで減少してしまった。以後、消費税の引き上げが2度にわたって延期された影響もあってか、着工件数はここ4年2,700件台で低迷したままだ。ただ、浜松市が特別ではなく、静岡県全体の着工件数も同様の推移をたどっている。

消費税の10%への引き上げは、2019年10月の予定であり、2018年度後半から2019年度前半にかけて、また駆け込み需要が見られるかもしれない。住宅関連業者は次回の駆け込み需要をとらえ、新築の見込み客を確保するとともに、新築だけにとらわれず、太陽光発電、省エネ住宅、耐震補強、リノベーションといったリフォーム事業にも積極的に取り組むことも期待される。

出所:静岡県新設住宅着工統計をもとにしんきん経済研究所作成

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