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自粛要請後の人出の戻りは

2020年6月18日

静岡県の新型コロナウィルス感染症の陽性患者は6月1日時点で75人 。そのうち、浜松市は7人で 、県内市町別の多い順では静岡市、富士宮市に次いで三番目であった。静岡県を都道府県別にみると、人口の全国9位に対し、感染者数は多い順で26位となり、人口規模に対して感染者数はきわめて少ない数字であった。静岡県民の自粛の徹底ぶりとともに、都市圏に住む多くの方が静岡県内への往来の自粛に応じてくれたことも大きかったのだと思う。

日本政府は5/14に静岡県を含む39県に出していた緊急事態宣言を解除したが、その後の人出の戻りはどうなのだろうか。下のグラフは携帯電話の情報を基に、浜松駅周辺(浜松駅の北側500m四方)における自粛要請以後の日曜日の人出を表したもの。休業要請がなされた直後4/26の浜松駅周辺の人出は、前年同月と比べて▲64%であった。GW中の5/3についても浜松まつりの中止や飲食店・娯楽施設等の休業により▲65%となり、自粛の状況は休業要請直後と同程度となった。休業要請が解除された直後の5/10は▲58、67には▲30となり、徐々にではあるが人出は回復傾向にある。

ただ、三密を避ける行動をはじめ、時短営業やマスク着用、小まめな消毒などは今も続いている。人出に回復傾向はみられるが、飲食店への客足が回復しているとは言い難い。早期に新型コロナ発生前に戻ることを期待するも、経済はV字回復とはなりそうもなく、回復が遅れれば廃業撤退する事業者も増えてしまう。感染拡大の抑制はもちろん大切だが、回復を強く後押しする支援策や強力なリーダーたちの音頭も強く望まれる。

図表  浜松駅周辺の人出の推移(毎週日曜)
出所:NTTドコモモバイル空間統計を基に研究所加工作成

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