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新型コロナの個人消費への影響

2020年8月6日

2020年4月に発令された新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言は、5月25日には全国すべての地域で解除された。一方で、浜松市では7月後半の連休中にクラスターが発生するなど、全国で再び感染者が増加傾向にあり、感染防止対策と経済活動の両立が求められている。こうした中、緊急事態宣言が発令されていた間、多くの人々が外出を自粛、加えて、学校の休校要請や企業のテレワークの取組み等により、自宅で過ごす時間が増えたという人も少なくないだろう。

下図は、浜松市の2人以上の世帯における品目分類別の支出金額(3〜5月の平均)を2019年と2020年とで比較したものである。減少している主な品目をみると、教養娯楽サービス(8,506円減)、被服及び履物(6,549円減)、外食(5,345円減)、ガソリン(3,429円減)、鉄道運賃(3,009円減)となっており、これらが飲食・小売・レジャー産業等に大きな影響を与えている。また、1世帯当たりの支出金額合計(3〜5月の平均)をみても330,178円(2019 年)から289,520円(2020年)と40,658円減少しており、緊急事態宣言による外出自粛が、個人消費全体に大きな影を落としている。現在は緊急事態宣言は解除されているものの、感染増加による第2波への懸念から、個人消費も以前の状況に戻っているとは言い難い。

新型コロナウイルスの脅威は、ワクチンや治療薬が開発され安定して供給されるまでは続くであろう。その間、人々の感染に対する不安は消えることはなく、今後も外出・外食・買い物等を自主的に控えることも予想される。加えて、新しい生活様式のもと、人々の日常生活も、以前と比べて変化が生じてきている。飲食・小売・レジャー産業に限らず、多くの産業において、新型コロナウイルスと共存していく社会に対応するべく、新たなサービスの提供や販売方法の見直しが求められている。

図表  浜松市(二人以上世帯)品目分類別支出金額(3〜5月における平均金額)
出所:総務省「家計調査」を基に研究所加工作成

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