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ワンちゃんで地域活性化

2021年9月16日

浜松市は、人口10万人当たりの人身事故件数が、政令指定都市の中で12年連続ワースト1位という不名誉な記録を持っている。事故削減のため、一人ひとりの心がけが重要だが、地下鉄等が整備されている大都市と比較して、車への依存度が高いという地域特性もワースト1の要因となっている。

人身事故ワースト1は、マイナスの地域特性だが、視点を変えればプラスとなる地域特性もある。1,000世帯当たりの、犬の登録件数をみてみると、浜松市は146件と政令指定都市の中で最も多い。犬を飼っている世帯が多ければ、ペットショップ、トリミングサロン、ドッグランなどの関連市場が拡大するし、犬同伴可能なCAFEなどの飲食店も充実する。さらには、浜松は犬と一緒に遊べる施設が豊富ということが知れ渡れば、犬同伴の観光客も増加する好循環が生まれる。

この地域特性を観光資源として活用しようと、浜松・浜名湖ツーリズムビューローでは、WEBサイト「ワンダフル浜名湖わんこ旅」を開設し、モデルコースや施設の紹介を掲載している。コロナ禍では、近隣の愛犬家が対象となろうが、コロナが収束すれば全国から愛犬家が集うことも期待できる。

ちなみに、犬同伴で楽しめる施設を利用するとなると、義務である狂犬病はもちろん、任意の混合ワクチンの接種証明を求められることが多い。接種証明が必要であることにより、愛犬を安心して施設に連れ出せると考えている愛犬家も多いだろう。現在、コロナ禍からの経済活動再開のため、ワクチンパスポートの国内活用の議論が始まっている。犬の事例を応用するのは乱暴な議論かもしれないが、安心安全に経済活動を再開させるためには、ワクチンパスポートの活用も有効な手段といえよう。

図表 1000世帯あたり 犬の登録件数(政令指定都市)
出所:厚生労働省「衛生行政報告例」、総務省「住民基本台帳」をもとに作成

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