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家計調査からみた浜松のビール事情

2024年3月7日

コロナ禍で宴会自体が中止になり、「外飲み」が減って、「家飲み」にシフトした人も多いと思う。そこで、コロナ禍で健康志向の高まりもあり、ビールの家庭消費額も減少しているのではないかと思い、調べてみた。  総務省の家計調査によると、スーパーやコンビニ、酒販店などで家庭用に購入した酒類等の内、浜松市のビールの一世帯当たりの年間購入金額は、2018年の7,528円から2020年の6,837円まで毎年減少していた。いわゆるビール離れが起こり、その代わりに発泡酒等にシフトしたと考えられる。しかし、2021年以降おいては、3年連続でビールの年間購入金額が増えており、2023年は13,359円に増加した。浜松市では、ビールの年間購入金額はずっと全国平均を下回っていたが、2023年は全国平均の12,584円を775円上回り、ビール党が多くなったことが分かった。

この増加理由として2つ考えられる。1つ目は、2020年からのコロナ禍で、「外飲み」が減り「家飲み」が増える傾向にあったことが挙げられる。2つ目には、酒税法改正(2020年、2023年いずれも10月)によるビールの値下げがあったため、ビールの年間購入金額は増加傾向にあると考えられる。

このように、コロナ禍以降、浜松市におけるビールの家庭消費額は、減少しているのではなく、逆に増加していた。今後、2026年10月には、ビールがさらに減税され、発泡酒が増税になって税額が統一される。これにより、ビール回帰の今の流れが続くと考えられる。浜松のビール党にとっては朗報である。浜松では、今後も缶ビールを飲むことが、まだまだ増えそうである。

図表 ビール1世帯当たり年間購入金額の推移
出所:総務省家計調査(2人以上の世帯)をもとにしんきん経済研究所加工作成

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